マズローの欲求段階説から学ぶ自己実現の意味と達成のヒント

自己実現の意味は、人間本来のありのままの姿になること。マズローが提唱する5つの欲求段階を満たすことで、ありのままの姿を取り戻し自己実現を達成することが可能です。今回は欲求段階説を参考に、自己実現の意味や達成のヒントを解説していきたいと思います。

自己実現の意味とは

自己実現とは「自我を完全に実現すること」です。

アメリカの心理学者であるマズローは、5つの欲求段階を全て満たすことで自己実現が叶うと解説しています。

自己実現は目的や目標を達成させることの意味として使われがちですが、実際は違います。人間がありのままの状態でいることが、自己実現なのです。

マズローの欲求段階説は人間の欲求を5段階に理論化したもの。それぞれの欲求段階を早速見ていきましょう。

欲求段階の根本となるのが、生理的欲求です。

睡眠欲や食欲など、生命を維持するために必要な行為に対しての欲求のことを言います。現代の生活において生理的欲求が満たされない人は少なくなりましたが、生理的欲求が満たされないと精神と肉体どちらにも影響を与え、身体のバランスが崩れてしまいます。

生活する環境や経済的にも安定し、心身共に健康であることを望むのが安全欲求です。

我々日本人が突然、紛争地域など身の安全が確保できない地域で生活を始めれば、今すぐこの環境から抜け出したいと思いますよね。また経済的な余裕がないと、毎日不安を抱えながら生きていくことになります。

こうした暮らしへ対する安全を求めることが、安全欲求です。

社会的欲求は、何らかの集団や組織に属していたいという欲求です。

自分を受け入れて肯定してくれる家族、自分の能力や個性を認めてくれる仕事場など、信頼関係を築き上げた集団に属することで、人は安心感を得られます。

孤独を感じる状態やどこにも属していないという不安が続けば、鬱状態になってしまうことも。自分を受け入れてくれる他者の存在は必要不可欠です。

自分を受け入れてくれる集団や組織が見つかると、次は自分を認めてほしいという欲求が生まれます。他者に認められたい、褒められたいと思うことが承認欲求です。

自分の実力を高く評価してもらいたい、出世がしたい、SNSに自分の生活などをアップしていいねを貰いたいと思うことも、承認欲求ですね。

承認欲求は「レベルの低い承認欲求」と「レベルの高い承認欲求」の2つがあります。

まさにSNSにいいねが欲しいなど他人から注目を浴びたり褒められたりしたい欲が、レベルの低い承認欲求です。

レベルの高い承認欲求は他人からの評価ではなく、自分自身の評価を尊重します。あくまで得た物事に対して自分のなかで喜びを感じる、自分で自分を承認する欲求です。

第四段階までの欲求が満たされると、最後に自己実現欲求が生まれます。

社長になりたい、女優になりたいなど、誰しも夢や希望を持ち、こうなりたいという理想はあると思います。こうした願望こそが自己実現欲求です。

自分の居場所を見つけ他者に認められたとしても、社長になりたいという理想（夢）が実現しなければ、理想と現実のギャップに悩まされ満足できない状態に陥りますよね。

自己実現欲求を満たすことは難しく、達成できた人は数少ないと言われています。

ここからは自己実現を達成させるためのヒントをご紹介していきましょう。

マズローの欲求段階では、第一段階が最も難易度が低く、第五段階が最も難易度が高いものとなっています。まずは第一段階から1つずつクリアしていくことを目標にしてください。

どんなに忙しくても十分な睡眠を取りバランスの取れた食事をする、安心・安全な場所に身を置く、家族や職場など自分を認めてくれる人たちと関わりを持つ、第三段階までの欲求はそれほど難しくありません。

まずは第三段階までの欲求を達成させていきましょう。すると承認欲求や自己実現欲求も次第に満たされていくのです。

次に大切なのは、ありのままの自分で生きようとすること。

自分の気持ちに正直に、やりたいことをやりやりたくないことはやらなければ良いのです。簡単に思えますが、自分の気持ちや感情の思うままに生きていける人は案外少ないもの。

自己実現は人間本来のありのままの姿になることです。まずは自分の気持ちに正直になり、ありのままの自分で生きようとすることは、最も効果的と言えるでしょう。

自己実現はなりたい自分になることではなく、本来あるべき姿になることです。マズローの欲求段階を取り入れることで自己実現を達成させ、より満たされた人生を送れるようになります。

そのためには自分の気持ちや感情に正直になり、ありのままの自分で生きていきましょう。

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